怒りが抑えきれない方へ
その根源を見つめましょう
「読むカウンセリング」は、アダルトチルドレン(AC)やHSPなど、生きづらさを抱えやすい方に向けた、セルフケアのための読み物です。
様々な心理療法・理論、そして“なりた自身”が自らのフィールドワークで経験してきた知見を基に、時間をかけて作成しています。
ページを読むこの時間が、あなたにとっての小さなカウンセリングのよう感じらるよう、多くの心理療法をもとに、丁寧に綴りました。
遠くにいても、誰かが自分を理解してくれている――そんな感覚を、少しでも受け取っていただけたらうれしいです。
悔しくて泣いたことはありますか?
そして、少し時間がたつと、ふつふつと「怒り」が湧いてきたことはありますか。
私たちの多くは、怒ることを悪いことだと教えられて生きてきました。
でも、怒りを我慢し続けると、身も心も疲れてしまいます。
怒りは、自分を守る力にもなれあば、
ときに自分を傷つけてしまうこともある、不思議な感情です。
ここでは、その怒りがどこから生まれてきたのかを、一緒に考えていきましょう😌
「すぐに怒るなんて恥ずかしい」
「我慢できない自分はダメな大人だ」
怒りには、どこか “大人げないもの” “我慢するべきもの” というイメージがつきまといます。
それは、私たちがこれまで生きてきた中で教えられてきた価値観でもあります。
「怒ってはいけない」
「我慢しなさい」
「男の子でしょ/お姉ちゃんなんだから」
そんなメッセージの中で育ったなら、
怒りを感じた自分に罪悪感を覚えてしまうのも、自然なことです。
けれど、怒りは“自分を守るための大切な反応”です。
たとえば——
・突然、暴言や暴力を受けそうになったとき
・尊厳を踏みにじられるような理不尽な扱いを受けたとき
心はきっと、こう知らせてくれるはずです——
「自分を傷つけることは許さない」
「いま、私の尊厳が脅かされているよ」
怒りの感情が全くなければ、私たちは自分を守ることができません。
怒りとは、あなたが大切にしている
『価値観』
『尊厳』
『境界線』
を教えてくれる大切なサインでもあります。
怒りは決して悪い感情ではなく、人間が生きていくために備わった、自然な反応なのです。
そして、怒りにはもう一つの特徴があります。
それは、自分の「欲求」が満たされない時に出てくることです。
もしかしたら、怒りより先に“涙が出る人”も多いことでしょう。
でも、よくよく考えると、その涙の奥には「悔しい」という、怒りに近い感情が隠れていることに気づく方も少なくありません。
たとえば——
・私の気持ちを理解してほしかったのに、 “わかってもらえなかった”とき
・“大切に接してほしい”のに、軽んじられたと感じたとき
・自分の“思い通りにならず”、我慢を強いられたとき
こうした瞬間、怒りはこんな風に顔を出します——
「私はこうしてほしいのに、なんで分かってくれないの!」
「私の気持ちに気付いてよ!!」
つまり 怒りの奥には、悲しみや寂しさ、そして“満たされなかった欲求”が隠れていることが多いのです。
大切なのは、怒りをただ我慢するのではなく、
「自分の心が何を求めているのか」
「何が満たされていないのか」
そうした気持ちに目を向けてみること。
それが、怒りと上手に付き合っていくための、はじめの一歩になります。
次に、怒りの向きについて見ていきましょう。
怒りは、大きく分けて“2つの方向”があります
⭐自分に向ける怒り
相手に対する不満や怒りを伝えられず、
その怒りを自分に向けて「自分を責める」という形で抱え込むことがあります。
まれに、怒りを「前へ進むためのエネルギー」に変えられる人もいますが、
多くの人は、怒りを押し込めるほど 頭痛や胃痛、倦怠感など、身体のストレスとして現れやすくなります。
怒りのあまり唇をかんだり、ふとももに爪を立てる行為も、
ある意味では、自分に向けた怒りです。
また、抑えきれない怒りや虚しさを紛らわせるために、
ついお酒や特定の行動に頼ってしまうこともあります。
詳しくは「共依存を学ぶ」をご覧ください。
⭐相手に向ける怒り
外向きの怒りは、“自分の身を守るため”に出ることがあります。
理不尽な扱いを受けたり、尊厳を傷つけられそうになったときは、
怒りという形で意思を示すことも必要です。
でも、怒りがいき過ぎてしまうと、話は変わってきます。
・相手を追い詰める
・強い口調や暴言になる
・暴力をふるってしまう
たとえば——
「なんでこうしないんだ!」
「てめぇ!いい加減しろよ!」
「ふざけるな、この野郎!」
こうした言葉は、相手に「攻撃されている」と感じさせて、
相手も自分を守るために反撃したり、距離を置いたりすることがあります。
結果として、人間関係の悪化につながることも少なくありません。
外向きの怒りは、
『自分を守る力』と、
『相手や人間関係を壊してしまう力』
の両面があります。
そして——
内向きの怒りも外向きの怒りも、どちらも“度が過ぎてしまうと”コントロールが効かなくなるという共通点があります。
では、その“いきすぎた怒り”は一体どこからやってきたのでしょうか。
私たちは、ときに過去に体験した不快な感情を消化うまく消化できず、
“心の奥底に押し込んだまま”にしてしまうことがあります。
・子どもの頃、自分の思い通りにいかないときに感じた“悔しさ”や“理不尽さ”
・大人になっても癒えずに残っている不満や“心の傷”
・誰かに認めてもらえなかったり、守ってもらえなかった“ショック”な体験
・“泣くこと”や“喜ぶ”ことなど、素直な気持ちの表現を許されなかった(または否定された)家庭環境
こうした体験を繰り返し経験してきた人ほど、消化しきれない『不快な感情』が、
無意識の中に溜まり続けることがあります。
その結果——
・人間関係がこじれると、決まって強い怒りやむさしさが湧いてくる
・恥をかいたり、指摘されると、必要以上に過敏に反応してしまう
・自分を責めすぎたり、逆に周囲に強く当たってしまい、あとで後悔する
・いつも周囲にたいして緊張感を持っていて、構えてしまう
といった形で、表に現れることがあります。
ここで大切なのは、
その怒りを「自分が悪い」とこれ以上責める必要はない
ということです。
なぜなら、怒りを感じるということは、心が
「自分の中にある本当の気持ちを、もう一度取り戻したい」
とサインを出している証でもあるからです。
よろしければ、このタイミングをきっかけに、あなたの中にある怒りを
【自分の本音を優しく理解するためのエネルギー】
に少しずつ変えていきませんか?
もし、怒りという感情が、『自分自身の声』だとしたら、
「私は今怒っている、なぜなら・・・」
の後に、どんな言葉を続けるでしょうか。
「私は今怒っている、なぜなら“あなたが優しくしてくれないから”」
——これは怒りの原因を「あなた」に置いているので、
ユー・メッセージになります。
※相手はまったく悪くない、という意味ではありませんのでご注意ください。
アイ・メッセージとは、怒りの矛先を相手ではなく、
『自分の内側』に向けて気持ちを整理をするための言い方です。
例えば——
「私は今怒っている、なぜなら私は“大切にされたいという欲求”が満観たされていないから」
「私は今怒っている、なぜなら私は“大切にされるという価値観”を大切にしているから」
このように「私」を主語にして表現すると、
怒りの裏側にある“本当の欲求”に気付くことができます。
アイ・メッセージに慣れていない方は、最初は練習が必要です。
なぜなら、多くの場合学校でも家庭でも教えてもらえなかった伝え方だからです。
でも、心配しなくても大丈夫です。
相手にすぐに伝えられなくても、大丈夫です。
まずは、
「私は何を求めていたんだろう?」と、自分の心をそっと確かめることから始めてみてください。
怒りはあなたや周りを傷つけるためにあるのではなく、
「いま、私の心が何を必要としているのか」
を知らせてくれる大切なサインです。
ぜひ、アイ・メッセージを活用しながら、
あなた自身の内側から聞こえてくる声に、耳を澄ませてみてください。
🌱この記事を読んで、「自分のことを少しでも話してみたい」と感じた方へ
現在、対面でカウンセリングも行っています。