「読むカウンセリング」は、アダルトチルドレン(AC)やHSPなど、生きづらさを抱えやすい方に向けた、セルフケアのための読み物です。
ページを読むこの時間が、あなたにとっての小さなカウンセリングのよう感じらるよう、丁寧に綴りました。
遠くにいても、誰かが自分を理解してくれている――そんな感覚を、少しでも受け取っていただけたらうれしいです。
恋人、親子、職場の人間関係…。
多くの場合、ネガティブな意味で語られます。
でも、もし本当に悪いものなら、なぜ私たちは依存することを手放せないのでしょうか。
なぜ、苦しいのに、その関係から離れられないのでしょうか。
そんな「共依存」の本質を、優しく一緒に見つめていきましょう😌
「依存」と聞くと、どこか悪いイメージがあります。
けれど、人は誰もが何かに頼りながら生きています。
例えば、
・子どもが親に頼る
・パートナーに安心感を求める
・友人に話を聞いてもらう
あるいは一人の時間に、
・コーヒーを飲む
・お気に入りの音楽を聴く
・本や映画を見て楽しむ
これらはすべて、「自分の気持ちを整える」ための自然な依存です。
人に頼ることも、モノや習慣に助けられることも、どちらも生きるうえで大切な営みになります。
共依存とは、心に空いた穴を埋めようとする行為です。
その穴には「寂しさ」「虚しさ」「孤独」といった感情が隠れています。
もともとは、アルコール依存症の家族関係を説明するために生まれた言葉ですが、
今では、人間関係以外でも考えることができます。
たとえば―――
・相手のために自分を犠牲にしてしまう
・取りつかれたように仕事に没頭しすぎて自分を見失ってしまう
・スマホや買い物、アルコールなど、苦しくても何かに頼らずにいられない
そうしたふるまいの根っこには、
「心の空虚さを埋めたい」という気持ちが隠れていることが多いのです。
心の穴は、「私は安心を感じている」「自分は大切にされている」という感覚が十分に満たされなかったときに生まれやすいと言われています。
・幼いころ、安心して甘えられなかった
・つねに「良い子」でいることを求められた
・孤独や傷つきを抱えたまま大人になった
そんな経験が、「そのままの私では価値がないのでは」という不安を残してしまいます。
その不安を埋めようとして、人や物に頼ることで一時の安心を得ようとする。
それがいつの間にか、苦しくても手放せない関係や習慣をつくってしまいます。
けれど、心に穴があることは決しておかしなことではありません。
誰の心にも大なり小なり空白はあります。
しかし、もしその手放せない関係や習慣があなたを苦しめているのなら、そこに気が付くことから変化が始まります。
共依存は苦しい関係ですが、そこに留まってしまうのは、
どこかに「一時の安心」や「意味」を感じられるからかもしれません。
1. 必要とされている安心感
頼られることで、孤独感がやわらぐ。
2. 役割をもつ居場所感
「支える人」というポジションが、自分の存在理由になる。
3. コントロール感
相手のために動くことで、自分の価値を実感できる。
4. 痛みの回避
誰かに集中していれば、自分の寂しさを見ずに済む。
こうした感覚は、一時的に自己否定感は軽くなるのですが、それが続くと、少しずつ自分を見失ってしまいます。
一方で、共依存的な習慣を続けることで見失うものを見てみましょう。
1. 自分の感情や欲求
私は何を感じ、何を望んでいるのかが分からなくなる。
2. 境界線(バウンダリー)
相手の問題に巻き込まれ、疲れ果ててしまう。
3. 時間とエネルギー
相手に使いすぎて、自分のために使えなくなる。
そしていつの間にか、「自分はダメだ」という、自己否定感が生まれるという悪循環につながってしまいます。
共依存の背景には「必死に生き抜いてきた物語」があります。
それは、苦しみの中で見つけた生きるための知恵でもありました。
だから、あなたが「問題のある人」なのではありません。
問題なのは、苦しい循環が続いてしまっていることです。
その苦しい循環が起きていることに気づくこと——
そこから、変化の道が始まります。
共依存を手放そうとすると、必ずといって良いほど不安がやってきます。
たとえば―――
・相手を見捨てるようで罪悪感がある
・一人ぼっちになるのが怖い
・自分にはもう何も残らない気がする
これは、これまで身を守ってきた「私の生き方」が、あなたを引き戻そうとするサインです。
そのサインに気づいたら、
そっと心の中で唱えてみてください。
『私は大丈夫。私は戻らない。』
不安を消そうとするのではなく、「今、私は不安なんだな」と感じるだけで十分です。
①感情を言葉にしてみる
「私は今、不安なんだ」「寂しいと感じている」と声に出してみたり、違和感を感じる身体の部分に手を当てて、サインを感じてみます。
②小さな一歩を見つける
「今日は少し落ち着けた」「自分の気持ちに、ふと気づけた」
そんなささやかな気づきを積み重ねる「プロセス」こそが、変化の力になります。
③安心できる場所を見つける
「弱さを見せても大丈夫」な場所は、心に安心感を育てる土台になります。
例えば、自助グループやカウンセリングなども、その一つです。
なりた心理相談では、2025年は無償で心理カウンセリングを行っています。
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④境界線を意識する
「どこまでが自分の責任で、どこからが相手の責任か」
完璧に線を引く必要はありません。
ただ、“意識する” ことから、少しずつ自分の心を守る感覚が育っていきます。
⑤自分を癒す習慣を持つ
散歩をする、音楽を聴く、好きな飲み物を淹れる。
過去に「心地の良かったもの」をもう一度思い出してみてください。
新しいことを始めるよりもやりやすく、それが、セルフケアの一つになっていく可能性があります。
共依存を手放す過程は、苦しさとやさしさの間を何度も行き来するような時間です。
人に向けていた思いやりを、少しずつ自分にも向けなおす。
はじめは難しくても、その繰り返しの中で、心を少しずつ「自分の感情や欲求」を取り戻していきます。
焦らなくていい。完璧でなくていい。
こうして最後まで読んでくださるそのお気持ちが、すでに回復の道を歩み始めているのですから。
🌱この記事を読んで、「自分のことを少しでも話してみたい」と感じた方へ
現在、対面でカウンセリングも行っています。