褒め言葉をそのまま受け取るだけで、
人間関係の苦痛が「ガラリ」と変わります。
誰かに褒められたとき、つい
「いえ、私なんて全然です...」
「そんなことないですよ...」
と返してしまい、相手が困った顔をしたり、会話が途切れて気まずくなった経験はありませんか。
普段から自分を控えめにしてしまう人は、自然にこうした返しをしていることがあります。
ここでは、褒め言葉への反応パターンを整理しながら、少しずつ褒め言葉を素直に受け取るコツを一緒に学んでみましょう😊
褒め言葉に対して、ネガティブに反応してしまう背景には、無意識に働く心のガードがあります。
①自分を守る
褒められると期待やプレッシャーを感じる
②自己評価の矛盾
「自分はダメ」という思い込みと褒め言葉が心の中で矛盾している
③人間関係を保つ
自慢や調子に乗っていると思われたくなくて、控えめにする
③厳しい教育や家庭環境
「甘えるな」「満足するな」と言われて育ったから、素直に受け取れない。
→詳しくは🔗幸せが怖い を見ていただけると、心の声に気づくことができます。
次に、つい反応しがちな3つのパターンの特徴を考えてみます。
・ 特徴:相手に関心が向いており、相手を立てる返しをする
・ 会話例:「◯◯さんにそう言ってもらえて嬉しいです」
・ 会話の影響:自然に会話が深まり、信頼感や安心感が生まれる
・ 特徴:自分を控えめにして場の雰囲気を和らげる
・ 会話例:「そんな大したことじゃないです」
・ 会話の影響:場は和むが、相手は少し戸惑うことも。頻度が高いと自己否定型に近づく
・ 特徴:自分を過剰に貶め、安心や笑いに変える
・ 会話例:「私なんて全然ダメです」
・ 会話の影響:相手が返答に困ることが多く、関係が深まりにくい
会話や人間関係を心地よく続けるには、相手が心地よく感じられるかどうかがポイントです。
自虐的な返答は、無意識のうちに相手の心地よさを奪い、距離感を生むことがあります。
ここで大切なのは、「いつも相手を心地よくさせなければならない」ということではありません。
相手が嫌味を言ったり、攻撃的な態度を取るときは、むしろ距離をとる(自分の境界線を守る)ことが重要です。
この記事で扱うのは、あくまで
「自分を大切にしたい」
「大切にしたい人との関係を長く続けたい」
そんな場面での、褒め言葉の受け取り方です。
「ありがとう」「すごいね」といった肯定的な言葉には、
・「あなたを見ているよ」
・「あなたを大切に思っているよ」
という気持ちが込められています。
心理学ではこうした関わりを「ストローク」と呼びます。
褒め言葉を素直に受け取ることは、心の栄養を受け取ることと同じです。
そして、いったん「ありがとう」と受け止めるだけで、会話が自然で温かくなり、相手も「ストロークを受け取ってもらえた」と安心して、関係が深まります。
褒められたとき、まずは受け取ってみる。それが、結果として自分を少しずつ肯定できる力につながります。
😓「いや、全然そんなことないです 」
➔「ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです」
😓「私なんて…」
➔「どうもありがとうございます。まだまだ課題もありますが頑張ります」
🌸少し工夫すると、相手への感謝や敬意を添えることもできます。
😊「ありがとうございます。◯◯さんのおかげで頑張れました」
😊「◯◯さんにそう言っていただけて光栄です」
🌸「ありがとうございます、でも・・・」
このように、受け取ってもすぐに否定してしまうと、相手は矛盾した気持ちになります。
後で軽く訂正するとしても、はじめから否定するのではなく、
まずは受け取る姿勢を示すことが大切です。
最初は、献血やボランティアなど、確実に「ありがとう」と言われる場所がおすすめです。
「特別に達成したから褒められる」のではなく、
「自分がしたことを素直に褒めてくれる」体験を少しずつ増やすことがポイントです。
練習が億劫なときは、まず観察から始めてみることもできます。
たとえば、コンビニで店員さんに「ありがとうございます」と伝えると、多くの人が笑顔で返してくれます。
「私なんて全然です」という店員さんは、おそらくいないと思います。
このやり取りを見て、「受け取る」ことの心地よさや、人とのつながりの良い循環を感じることができます。
褒め言葉を受け取ることは、礼儀以上に、自分の心の成長や関係性の深まりにつながります。
褒め言葉や感謝を受け取ることは、少し照れくさいかもしれません。
すぐに言葉にできなくても、「ありがとうございます」から始めてみる。
それは自分の存在を大切にする小さな一歩です。
そのあと、受け取った言葉を少しだけ心の中で味わってみます。
訂正はそのあとでもできます。
「私は今、認められたんだな」と感じるだけでも、自分を大切にする感覚が少しずつ育っていきます😊